セブの夜ふけに暇つぶし

セブでのお気楽な生活を独断と偏見に満ち溢れて綴っていきます

ボラカイ島ロックダウン苦行記・その4

Aさんは、取るものも取り敢えずホテルの部屋を飛び出し、今日のセブ行きの便に変更できるかどうか、航空券を握りしめて、カティクラン空港へと向かった。
空港へ到着すると、物凄い人だかりである。当然、ロックダウンの情報を聞きつけた、
ボラカイ島の滞在客が
一斉に押し寄せ、最終便となる今日の午後のセブ行きの座席を求めてパニック状態となっている。

勿論、セブパシフィック航空のカウンターに近づく事も出来ない。コリャ~アカン!
今日の便に乗るのは無理ダワ!仕方ない、ホテルの部屋に荷物も置いたままだし...。
取り敢えず、ホテルに戻ろうと決めた。
お供のP~ナは不安気が眼差しで、Aさんの顔をチラチラと凝視していた。
このAさん、常にどこかへ行く時には、銀座で一晩豪遊できる位の、金銭を持ち歩くのが習慣となっている、勿論、クレジットゴールドカード数枚を含めての事ではある。
Aさんは、日本では以前、地方都市で手広く商売をし、海外展開迄しており、最盛期には年商6数億以上をたたき出すオーナー社長で陣頭指揮を執っていたが、2008年から始まったリーマンショックにより、会社経営の
屋台骨が崩れ、その後暫く不景気が続いたため会社を閉めるに至った、苦い経験を持っている。

リーマンショックとは:
アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが2008年9月15日に経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ通称である。その後日本は長期低迷経済に突入した。


Aさんは、その後、自分の身に困難な事が降りかかると「俺はリーマンショックの地獄を生き抜いた男だ!」と己を奮い立たせ困難を突破してきた、なかなか肝の据わった勇敢な男の中の男であります。


今回も「ロックダウンも1ヶ月も辛抱すれば解決するだろう、その程度なら軍資金も心配ないし、せいぜいボラカイ島を楽しんでやろうじゃないか」と超ポジティブな気持ちに
サッサと切り替えて平然と構えていた。

ホテルへ戻ろうとボラカイ島へ向かう船着き場に行くと、再び長蛇の列!「ドウナットンジャイ!」と近くに居た地元のP人に尋ねると「明日からロックダウンになるのでチエックが厳しくなった」との事、結局スッタモンダ押し問答した挙句、航空券やホテルの予約証明を見せて、ようやくボラカイ島へと戻ることができた。

しかし、今後3か月近くボラカイ島に幽閉されるとは夢にも思わなかったのであります。


                                  つづく

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