セブの夜ふけに暇つぶし

セブでのお気楽な生活を独断と偏見に満ち溢れて綴っていきます

未だに収束の見通しが立たないマラウィ市包囲作戦

今回の問題はそうとう深刻です。おそらくみなさんが想像している以上に深刻です。


これは内乱です。東南アジアのテロリズム、バンサモロ基本法ひとつをとても複雑です。
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フィリピンには目的と目標が異なるいくつかのグループがある。それがさらにこの問題を複雑にしているように見えても所詮どの国もリーダー達の思っていることは一つ。だから未だにイラク、リビア、シリアの内戦が続いている。
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「平和が訪れると、権力の拡大ができない」すなわち「権力の拡大には平和が邪魔である」ということです。彼はミンダナオのイスラム自治区に独立をもたらそう考えていません。 歴代の大統領も似たようなものですが、ドゥテルテ大統領は政治家として、最も

露骨です。
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彼は権力の拡大のため、鉄拳を用いて対麻薬戦争で人権を無視し、人々を怖がらせ、挙げ句の果て「ISやマラテ」を利用して議会を招集せずにミンダナオ全土に戒厳令を強いている。私から見るとファシストの常套手段です。
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今起こっている事象を「点」だけでとらえると、「テロリスト」が悪い。確かにそうですし、彼らがいくら彼らのテロ行為の正義を主張しても人々に恐怖を与えるだけで何の解決にもならなりません。しかし同時にフィリピン政府が行っている軍事行動(と戒厳令)の正当性を主張しても何の解決にもなりません。
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バンサモロ基本法はどうなっていますか?なぜドゥテルテ大統領は連邦法を提案しているのですか? ドゥテルテ大統領はこの軍事作戦の終着点をどう設定しているのでしょうか?




マラウィ市包囲作戦により、6月16日現在59人の国軍兵士と警官を失いました、テロリストグループは255名以上の犠牲者が出ており、現在も150~200名が国軍と戦闘状態にあります。最も悲惨なのは戦闘に巻き込まれたキリスト教徒の住民が数多く殺戮され、未だ住民が600名以上が必死の救出作戦にも関わらず、現在も戦闘地域に取り残され、食べ物も底をつき死の危機に瀕している事です。

そして、既にマウテグループの主なメンバー達は難民に紛れ、お隣のイリガン市やカガヤンデオロ市に脱出しております。
一般市民の犠牲者の数は全く把握できていないのが現状で、混乱を極めております。
本来、失わなくてもよい命でした。国のリーダー達は自分たちの起こしている戦争を正当化するために、「積極的平和」の名の下で彼らを「英雄」とします。



.ドゥテルテ大統領は戒厳令下、逮捕命令を出しました。1つは共産党員との戦闘で治安がさらに悪化したため、共産党員(http://bit.ly/2t0yQwT)。もう1つはアブサヤフ、
マウテ、黒い旗連合をサポートしている(地方自治体の元首長や政府関係者含む)310人(http://bit.ly/2rtWobp )。
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これも一見ドゥテルテ大統領は良いことを行っていると一般市民に思わせていますが、政治的にみると、問題を複雑にすることになります。
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フィリピンでは4月(http://bit.ly/2rp4re9)、5月(http://bit.ly/2pAZZUG)(http://cnb.cx/2sqZgKO)に米国からテロ警告が出されていた。今思えば、それも1月からのテロリスト一掃作戦への復習だった可能性もあります。


.当時もフィリピン国家警察はずっとアブサヤフ、マウテ、黒い旗連合とISの関連を否定していました。アブサヤフ、マウテ、黒い旗連合がISに忠誠を誓ったのは2014年の中半、ただ当時は IS が彼らをまだ認めていませんでした(http://bit.ly/1QuLTws)。
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にもかかわらず、マラウィ市包囲作戦と同時に突然ドゥテルテ大統領は IS、IS と騒ぎ出した事、そうして作戦開始当初に関係機関が発表した人数と現在では武装勢力の人数が5倍近く増えています。


IS が信仰しているのは、(サウジアラビアのイスラム教過激思想)ワッハービズム(http://bit.ly/18TxXuP 日本語)。 ISが台等してきたのは2014年中半。2015年、安倍首相のカイロ発言により後藤さん、湯川さんが彼らにより殺害され国内で俄然注目され始めました。 その時、日本では日本にいるイスラム教徒にどのような嫌がらせ(http://ind.pn/29foTTJ)がありましたか? 欧米ではどのようなことになっていますか? 人々のイスラムフォビア(イスラム恐怖症)から "全ての" イスラム教徒に対しての攻撃と排除です。
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フィリピンの多くがクリスチャンであるからといって自分たちの信仰を他に押し付けるようなことはしないで下さい。アブサヤフ、マウテ、黒い旗連合がキリスト教会を破壊したことで、キリスト聖書の福音を引用し自らが十字軍の一員として黒い旗軍団との「聖戦」を作り出さないで下さい。それがわからないのであれば通っている教会の司祭に尋ねてください。宗教をファッションとして身につけないでください。
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一人でも多くのフィリピンに住んでいる方、フィリピンが好きな方に、マラウィ包囲作戦が今後どのようになるのか、自分自身にどう影響してくるのか、フィリピンにどうなって欲しいのか、たとえそこがカフェであっても、P姉ちゃんと遊んでいる時でも、仕事をしている時でも、一瞬箸をやすめた時にマラウィ市の惨状を思い出して、真剣に考えてもらえたらと思っています。


「フィリピン何でも情報交換」の記事を引用させていただきました

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