セブの夜ふけに暇つぶし

セブでのお気楽な生活を独断と偏見に満ち溢れて綴っていきます

フィリピン銀行口座事情 シリーズ2

一般にフィリピン人のほとんどの預金額は非常に低く、国民の貯蓄額の低さを表しています。

銀行口座をもっている世帯の約19.4%(652,821世帯)の預金残高は1000ペソ(2,200円)以下、28.4%(955,677世帯)は1,000から5,000ペソ(2,200から11,000円)、約15.3%(514,854世帯)は5,000から10,000ペソ(11,000から22,000円)と、半数以上が非常に低い貯蓄額であることがわかります。
逆に預金額100万ペソ(220万円)以上の世帯は、銀行口座をもつ世帯のわずか2%しかおらず、約63,000世帯に相当します。


しかし、昨年のBSPのデータによると、数少ないこれらの世帯が、全国の銀行システムの総預金のうち80%以上を占めているとされています。
また、2014年の調査では、銀行預金のある世帯の53.7%(932,121世帯)が、2%以下の金利しか支払われていないことが明らかになりました。一方、約5%(168,253世帯)が、6.1~10%の利回りを享受しています。


銀行預金のある10世帯あたり約8世帯は、1口座しかもっていません。約15.4%は2口座を持っていますが、3~6口座を持っているのはわずか4%(134,502世帯)にとどまりました。
フィリピン人世帯の中間預金額は5,300ペソ(11,660円)です。日本側のデータは保険や金融商品を含んだ貯蓄額となりますが、その中間貯蓄額は996万円です。同データでは日本人世帯の貯蓄額のうち62.5%が預金であることから、単純に比較するとフィリピン人世帯の預金額は日本人世帯の五百分の一に過ぎません。

単純に銀行の預金残高だけを比較するならば、日本人はフィリピン人の五百倍裕福だと言えるでしょう。二倍や三倍なら想像できますが、もはや五百倍となると実感さえ得られません。はるか雲の上の存在です。


これではフィリピンの人々が日本人を金持ちと捉えるのも、無理からぬことかもしれません、ですからセブには「勘違いエロボケ爺」が多数出没するんですよネ!
現実はそんなに甘くは無い事を身をもって体験しているコルドバ月光です(泣)


フィリピン人の預金額の低さも驚きですが、そもそも銀行口座をもっているフィリピン人が全世帯の14%に過ぎないという実態にはもっと驚かされます。口座をもつ14%は、公務員やサラリーマンの家庭がほとんどを占めています。
一方、全世帯の86%が銀行口座をもっていません。その多くは農民や現場労働者・非正規雇用者、あるいは無職の人々です。


日本に住んでいると信じられないような低い銀行口座普及率と偏った預金額の分布からは、フィリピンに横たわる貧富の格差を読み取ることができます。
フィリピンでは、どうしてこんなにも銀行口座をもつ人が少ないのかと突き詰めていくことで、国民の大多数を占める一般庶民の貧しさが自然に浮き上がってくることでしょう。
それにしても銀行口座がない生活は、あまりにも不便だと思いませんか?
日本では、ほとんどの成人が銀行口座をもっています。銀行口座のない生活など、なかなか想像できません。
もし、私たちが銀行口座をもっていないとしたら、どうなるでしょうか?
もっとも困るのは、いざというときに融資を受けられないことかもしれません。
日常の生活必需品や家電製品ならともかく、クルマや家を購入するときに一括で払う人などほとんどいません。銀行の融資を受けられないと、自家用車や住宅をもつことさえできません。結婚資金や子供の進学費を融資でまかなうこともできません。


銀行以外の信販系から借り入れるにしても、返済は口座からの引き落としが基本のため、口座がないと断られるでしょう。クレジットカードの支払いも、銀行口座からの引き落としが前提ですから、クレジットカードさえ一枚も持てません。
普段は実感しないものの、銀行口座を持てないことで必要なときに一切の借り入れができないとしたなら、実際の生活にはかなりの支障が出ます。


もう一つ困るのは、送金ができないことです。


私たちは通常、銀行振り込みを通して送金しています。口座がないと振り込みや受け取りさえできません。今時、給料の受け取りにしてもほとんどが銀行振り込みでしょうから、これも困ってしまいます。
つまり、銀行口座がないと普通の暮らしさえ営めなくなるということです。
それにもかかわらず、フィリピン人世帯の84%は銀行口座をもっていません。


いったいフィリピンの人たちは銀行との関係を断ち切ってどうやって借金をし、どうやって送金し合っているのでしょうか?


                               つづく

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